短篇。

□とまどい
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とまどい



気付けば、何故か、自然と観察するようになってしまった、緑色の髪の剣士を。
最初は、ただ、ただ、見ているだけで、そんなに深い意味は無かった。
今もそうだと思いたいのに、何故か、違う意味合いを持ってしまったように感じてしまう。
「女の子を好きになるためにうまれた」
そう公言してはばからないし、今も、女の子は好きで、大好きで守らなくてはいけない存在だと思っている。
なのに。
よりにもよって。
あんな、筋肉もりもりの、男の匂いしかしない、そんな、緑髪のあの剣士が気になるのか……。
自分内会議を何度となくして、その度に導き出されるのは、「あれが気になって仕方がない」ということ。
好きと恋は違うとはよく聞く話だが、それが、そんなことが、自分に起こるとは、本当に、夢にも思わなかった。
と、そこまで考えて、思考が止まる。




──って、恋、だとぅ?おれが、あの、クソマリモに?それで、ケンカ、吹っ掛けてたのか……。ガキじゃあるめぇし、我ながら……。




──って、絶対ぇ、あいつ、恋とか、興味無ぇんじゃねぇか?どうすっかな……。そうさな、まず、酒を飲む時ゃ、「美味ぇ」と唸るようなの、作って、よ……。胃袋を掴んじまえば、まぁ、後は、おいおいな……




なんて、考えながら、満足そうに笑みを浮かべる。
まだ、何も始まることのない時の、そんなある日の出来事。





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2019.09.14 19:10
ついに、ちゃんとした場所にUPしてしまいました(笑
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