堕天使、天使を喰らう

□第壱章
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(ゾロのモノローグ。)





顔を突き合わせりゃ、お互いの口から出て来るのは、文句ばっか。
分かってる筈なのに。
船番で鍛錬してる時。
獲物を見つけた野獣の気配を感じる事がある。
その方向を睨み返すと、買い出しから戻ったコック。
───あの男は、誰だ……?
おれは、あんな顔をするコックなんて、知らない……。
変に、胸の奥に痛みが走りる。
「何か用か、エロガッパっ」
「クソマリモに用なんかあるわけねぇっ、あってたまるかぁっ」
コックはそう答えると、あいつの城──、キッチンへと消えて行く。
気の……、せいか……?
だよな。
有るワケねぇ、女好きのエロコックが、おれを見てる、とか。
本当に、有り得ねぇ。
だから、さっきの胸の痛みも、気のせいだ
そうだ。
そうにちげぇねぇ。
集中力が足りねぇから、くだらねぇ事に、気を回しちまうんだ。
もっと、強くなんねぇと。



世界一の剣豪になる為に。
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