短篇。

□701話の……。
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「おいっ、ゾロっ、美人さん。てめぇは、何で、んなっ露出の高ェ服の方向へ行くんだっ!!」
「黒けりゃ、問題無ぇだろがっ!!普段、コックが着てる様な服は、動き辛ぇんだよっ」
「ああんっ、てめぇっ、ゾロっ、今、おれの服にいちゃもん付けやがったのかっ!!良い度胸じゃねぇかっ!!」
「何で、そうなんだよっ、てめぇ、コック、面倒臭ぇ、付き合ってらんねぇっ」
「付き合ってられねぇだとぉっ!!おれの腕の中で、何時も、イイ声で泣く癖に、どの口が言ってんだかな。いいから、こっち来いっ」
そう言いつつ、三本刀の男の腕を掴み、スーツコーナーへ向かう。
「……////。コック、それは、関係無ぇだろ、今は……」
小さな声で抗議するが、スーツコーナーで真剣な表情で服を選んでいる目の前の料理人の耳には届いていない様である。
「コック、服くらい、自分で選べる」
「ゾロっ、てめぇに選ばせたら、露出の高ぇ服を選んじまうから、却下だ。なぁ、良い加減、自覚しろよ、てめぇがどんだけ可愛くて綺麗で美人さんなのかをよ。ほら、試着して来いよ」
にかっと笑って、服を渡して来る料理人。
「おっ、おうっ」
「何、どもってんの、美人さん。」
「どっ、どもっちゃ、いねぇっ」
「あっ、着方が分かんねぇの?何なら、試着室まで着いて行って、手取り足取り、着替えさせてやろうか?」
ニヤリと笑いながら聞いて来る料理人。
「コッ、コック、大丈夫だっ、着いて来んなっ」
「だから、何、どもってんの、美人さん?あっ、イケない事、想像しちゃった?」
「しっ、してねぇっ!!コック、てめぇも、さっさと服選んじまえっ」
我ながら、何で、こんなに動揺するんだろうと、思う。
「ああ、言われなくても、そうするさ」
そう答えると、既に選び終えていたらしく、服を抱えて、試着室へ向かって行った。
その後ろ姿を見送り、自分も試着室へ向かう。
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