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□信じてたもの
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「…で、サーヴァンプ7人の定例会議ってのを開いて集まって、ケンカを売り歩いている椿をどう止めるか話し合うんだな!?」

「さすがに7人全員は集まらないと思いますが」

「うん。それでも…」


「はん。貴様はまず自分のサーヴァンプを飼い慣らすべきだと思うがな」上から目線の御園。
「露出狂を放置してるお前が言うな!!」反論する真昼。
「ま、まあまあ…落ち着いて二人とも」その間でなだめる蒼。

「お前はいちいち…」真昼がそう言っている途中に、御園はカチッと何かスイッチが入ったように動きを停止した。
そして身体はがくんっと倒れ込んだ。





「わあっ!?」


バランスを崩す御園の身体を真昼が支えた。
いきなり倒れ込んだ御園に二人とも驚きを隠せない。





「なっ。御園っ…!?」

「御園くんっなしたの!?」


「おや、いけませんねぇ。もう時間ですか」

「時間?」



あの大きなイスに座り、うと…と眠そうにする御園を手で指しながらリリイは言う。

「御園は毎日9時には眠ってしまうんです」


「子供か!!」




「今日のところはお開きにしましょう」と言い、真昼に一枚のメモを渡した。
それを蒼も隣から覗きこむ。






「何これ…ウェブサイトのアドレス…とアカウント…?」

「今や吸血鬼もネットで情報交換をする時代です。吸血鬼のこと色々わかりますよー」

「へぇ〜。時代だねぇ」

「ログインしてみてくださいね」

「SNS的な…?マジかよ…」


すると真昼は思いついたように「あっ」と声を上げた。
御園にアドレス交換の申し立てをしようと決めたのだ。




「御園!俺らもアドレス交換しよーぜ」

「……!し、仕方ないな…特別だぞ」

「あ!私もしたいな〜」


「あ…お前アドレス帳少なっ。…今度俺の友達紹介してやろうか…?友達いねーの?」

「(怒)」

「真昼くん、それはさすがに失礼じゃないかな…?」


珍しく蒼が突っ込んだ。
そんな様子をにこにこしながら見守るリリイ。
我が子を見守るような眼差し。
蒼はそんなリリイを見て、何故にこにこしているのか分からず、?を飾していた。
蒼と目が合ったリリイは微笑む。
よく分からない蒼は、とりあえずにへらっと笑みを返した。





「お前…体弱いんだって?何かあったら俺とクロ呼んでいいからさ。よし、登録ーっと」

「私も呼んでね?何かあったらすぐ駆け付けるから」


携帯を片手にひらひらとさせながらにこにこと御園に言う。
二人の名前が新しくアドレス帳に増えた画面を、御園は「…ふん」と照れ隠ししながらも見つめていた。



















その夜、蒼は一度自分の部屋に戻った。
風呂に入り、ラフな格好に着替えて大好きなアイスを持ってそのまま真昼宅へ。




「真昼くーん。アーイス一緒に食〜べよぅ〜〜♪」

「ったく、ホントアイスに目がねーんだから。食べ過ぎて腹壊すなよ?」

「大丈夫〜、大丈夫よ〜♪ほらほら、真昼くんの好きなバニラ味持って来たんだよ〜♪」

「分かった分かったから、冷凍庫入れといて」

「はーい。…?あれ?」


辺りをキョロキョロと見回す。
クロの姿が見当たらない…すかさず蒼は「クロは?」と聞いてみる。





「クロなら風呂だよ」

「そっか。あ、真昼くん、包帯巻いてもらってもいいかな?一人じゃ出来なくて」

「あ、ああ…」



バニラ味のアイスを冷凍庫に入れ、ソファーでパソコンの立ち上げを待つ真昼の隣に、ポスンと座り込む蒼。
包帯を受け取った真昼は綺麗に巻いていきながら影を落とした。
蒼に怪我をさせてしまったこと、もっと早く自分が動いていれば…!そんな思いが真昼の中を渦巻いている。

そしてそんな思いを余所に、蒼は「いっただっきまーす♪」ペロンとアイスの紙蓋をめくった。


「ん〜〜〜♪美味しい〜〜〜〜〜♪」

「っほら!動くなっつーのっ」



木のスプーンまで持参、ぱくんと食べる蒼は幸せそうに頬へ手を当てている。
こっちまで気持ちが変わってしまう…やれやれと真昼は困った表情で笑みを零して「ほら、終わったぞ」と金具で包帯の端を止めた。





「ありがとう♪」

「お、おう…」


そんな無邪気な蒼にお礼を言われ、目線を逸らす。

元の姿勢に戻し、ちらりと横目で見る真昼。
どうにも目のやり場に少し困った。
隣人とは言え男子と女子、しかも蒼は風呂上がり。
ほかほかと漂うシャンプーの香りは鼻をくすぐり、いつもまとめている髪を降ろしている為どこか色っぽい。
ラフな服装も、上はキャミソールにパーカー、下は短パン、白い脚はむき出し。
仲良くなって、時々こうして風呂上がりにアイスを持って来るようになったが、高校に入ってからは毎日のように来ている。
今に始まった事ではないが、真昼からしたら慣れる筈がなく、思わず頬を紅潮させてしまうのだ。




「〜〜っ…蒼、風邪引くぞ?今日だって怪我しただろ」

「それはそれ♪アイスは別腹♪」

「ったく、脚出して…なのにアイス食うし」

「だって大好きなんだもの〜アイス♪お風呂上がりに、こーして誰かの隣で食べれるって幸せだよね〜♪」

「ったく……人の気も知らないで…




「?…なぁに?」


「っ!!な、なんでもないっ!!」


「?…あ、立ち上がったよ。パソコン」

「お、おうっ」



カタカタとパソコンを使い始める。
隣で、蒼はアイスを食べながらそれをじーっと眺めていた。
「何か調べるの?」「さっきリリイに教わったサイト」パソコンにサイトのURLを入力する真昼。
すると後ろから名前を呼ばれた。





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