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□天使か悪魔
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#26.天使か悪魔
サーヴァンプ…
契約した主人からのみ血をもらい命令を聞く
SEAVANT VAMPIRE
下 僕 の 吸 血 鬼
真祖はそれぞれ大罪を司る7人兄弟
その7人と敵対する8番目の真祖 椿が現れて
7番目“色欲”のリリイがやられてしまう
俺達は仲間のサーヴァンプを集めて
椿の勢力に対抗しようとするけれど…
――――――――――……
舞台は夜のカラオケBOX。
そこに真昼達は集まっていた。
ワイワイガヤガヤと楽しむ会話の中、真昼だけが眉間にシワを寄せている。
「なーポテト頼まね?食いてえ…」
「あ、私アイス食べたーい♪一緒に頼んであげるよ」
「サラダも頼んでくれ」
「あっ、次の曲私です〜」
「我が輩がコーラスで入ってやろう!」
「タンバリンもう1個借りてくるか?ヒュー持つだろ?」
「真昼、ドリンクバー取ってきてくれ。オレ、コーラ」
「じゃあ私は、コーヒーを」
「我が輩はオレンジジュースじゃ!」
「オレ様は氷多めのお冷」
「自分で行け吸血鬼ども!」
自由な吸血鬼達にこき使われる始末。
そこでガタと立ったのは鉄。
「しょーがねーな、俺が…」
「え…お前ヤダ…コーラって言ってるのに、緑茶持ってきたり滅茶苦茶だし…」
「鉄は2つ以上のことは一度に覚えられんのじゃ」
「メモすればいいんじゃないかな?」
「おい城田!この機械はどう使うんだ!?」
「あーもうお前ら、目的忘れてないだろうな!!?」
――――――――――……
時を少し遡り、鉄の実家にて。
鉄の実家に設けたサーヴァンプの拠点
そこに御園とリリイが加わった
主人(イブ)では…。
『…って御園!!なんだそのベッド!!旅館にベッド持ち込む奴いねーよ!!たたみと全然あってねーし!!』
『何だやかましいな…安物のベッドでは眠れないんだ。泊まり込みだとキサマが言ったんじゃないか…』
『御園くん繊細だものね』
また、真祖では…。
ほっこり
『お先お風呂入りました〜』
『いい湯だったぞ…』
『疲れが取れたぜよ…』←(水風呂)
『お前らも旅行じゃないんだからな!少しは危機感を…』
『城田。貴様危機感と言うが、具体的にはどうするつもりなんだ?』
『えっ…』
真昼の言おうとした先を、御園が遮る。
まさかの質問に、真昼も言葉が出なかった。
御園は厳しい言葉を続ける。
『貴様はいつもそうだ。やる気ばかりで計画に具体性がない』
『だっ…だって…それはその、シンプルに考えて…』
『サーヴァンプを7人集めることはもちろんだが、こちらからも椿達側にアクションを起こすべきだ。
でないと…また僕とリリイのように後手にまわることになる』
ぼ――――…と気が抜けたような状態のリリイ。
そんなリリイを心配そうに見つめる蒼は、御園から出た椿の名前に少し下に俯いた。
(椿さん…やっぱし、戦わなくちゃいけないのかな…)
『まず椿の下位吸血鬼(サブクラス)を1人捕まえる。あるいは…後をつける。
そうして敵の目的や拠点を探る必要があるだろう』
するとそこへ、窓から蝙蝠姿のヒューがバサと音を立てて『それならちょうど良い情報があるのじゃ』と戻ってきた。
『ヒュー!どこ行ってたんだよ。一人で出たら危ないだろ?』と心配する真昼。
ヒューは蝙蝠から人間の姿に戻った。
バサッ
『情報収集に行ってきたのじゃぞ。感謝するのじゃ』
鉄の膝の上に乗り、『部屋ではクツぬぐんだぞ、ヒュー』と靴を脱がせてあげている。
任せたまま、ヒューは集めた情報を話し始めた。
『我が輩の下位吸血鬼(サブクラス)達に情報を集めてもらっていたのじゃ。古き良き人海戦術じゃ』
『マジかよ…アナログだ…』
『ある場所で働いておる下位(サブクラス)から、新しい人物を見たとの情報が入っておるぞ』
情報の発信源はカラオケ店に勤める、傲慢の下位吸血鬼(サブクラス)の相模という男性からだった。
早速情報を聞きにカラオケ店に来た真昼達。
『とにかく強いんですよ!見たんですもん、そいつが下位(サブクラス)をぼこぼこにしたのを!
普通の人の粋じゃないですよ!空飛びましたもん!!』
『空…ねえ…それでそいつが…;;』
『このカラオケに最近よく来るんですよ!!オレ、いつ吸血鬼だって気付かれて殺られるかと…!!』
『吸血鬼関係の人はどいつもこいつもこう平和ボケなの!!?カラオケって!!』
キョロキョロ
『ここが…カラオケ…』
『御園くん初めてなんだねー』