『おかえり。』
□[ 借り〈side:sanji〉
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キッチンの影にあらかじめ置いてあったバッグを手にして、おれはドアへと歩く。
「私の時とは違うのよね?」
ロビンちゃん。君を世界政府から取り戻した時のことを言っているのかい?
おれは振り返り、笑みを浮かべた。
「あぁ。おれは一味に戻るつもりで離れるから、あの時の君とは違う。」
そう言ってドアを開けようとしたとき、おれを挑発する声が飛んできた。
「相当な貸しだからな。必ず返しに来い。でなきゃ、てめェをぶった斬る!!」
「…はいはい、斬れるもんなら斬ってみろよ。」
「…んだと!?」
「じゃ…、頼んだぞ。」
おれはドアの外に出た。あと僅かで日の出だ。朝の新鮮な空気を胸に入るギリギリまで吸い込んだ。
そして、サニー号を振り返ることなく、おれは歩いた。
必ず自分が戻ることを信じて…。