『おかえり。』
□\ 戸惑い〈side:zoro〉
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ドアが勢いよくバタンッ!と開いた。
「サンジ!めしーっ!」
この船で一番の大食らい、我らが船長だ。騒々しい足音がしなかったことを考えると、ゴムゴムでドア付近まで跳んできたのだろう。
さて、どうするか…?
「あれ?何やってんだ、ロビン? エプロンなんかして。お前が作ったみてェじゃねェかよ。」
「…そのとおりよ。」
「何言ってんだよ、お前。おい!サンジはどうした!?」
やはりこの違和感はルフィでも不安になるか。
正直こいつにどう伝えればいいか、おれにはまだ迷いがあった。
だが、言うしかねェんだろう。おれは余計な言葉は省いて事実を口にした。
「あいつは、いない。」
「…!? こんな朝早くから買い出しか?」
「んなわけねェだろ!!」
思わずおれはルフィに声を荒げた。
「…ゾロ。」
ロビンが静かな口調でおれをいさめる。おれは一息おいて、ルフィに話す。
「ルフィ、真面目な話だ。あいつはしばらくこの船には戻らない。」
「何…!? 何言ってるんだ? おれは何も聞いてねェぞ!」
「おれが許した。」
おれはあいつのように、相手を思いやる話し方なんて知らねェ。本音でしか話せねェ。
その点では完全にあいつの人選ミスだ。
「船長はおれだぞっ!」
ほらな、こうなっちまう。
「そんなことは、おれもあいつもよく分かってる!」
「じゃあ、何でだよっ!!」