『おかえり。』
□\ 戸惑い〈side:zoro〉
4ページ/8ページ
ルフィはいきなりおれに掴みかかってきた。
「あいつは…!サンジは、すぐ誰かの為に犠牲になろうとするんだっ!!」
「ルフィ…。」
「初めて会ったあのレストランでもおっさんの為に!冬島でもおれとナミの為に!!」
「…!!」
「あの二年前のシャボンディの時だってそうだ。おれが何度も逃げろ!って言ってんのに全然言うこと聞かねェで、仲間逃がす為に向かって行ってよォ…!!」
ルフィが下を向いた。
初めて見る姿に誰もが動けなかった。
「ゾロ…てめェは、そんなこと知らねェから勝手に許可出来たんだろ…?」
「…馬鹿言うな。」
おれだって知ってる。
おれがルフィの身代わりになったスリラーバークの一件。
あの時あいつは、バーソロミューくまとおれの間に割って入って来たんだ。
あいつは、本当に死ぬ気だった。
あいつにはいつでも死ぬ覚悟がある。それは自分の為ではなく、誰かの為だ。それがあいつの誇る騎士道ってやつなんだろう。
「…おれもさすがにそこまで鈍くねェ。いいかルフィ、よく聞け…。」
ルフィが顔を上げた。なんて情けねェ面してやがるんだ。