炎のゴブレット


□05.ダイアゴン横丁
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ホグズミートに着地し、ホグワーツ城へと帰る途中。

「その年齢で杖を持っていなかったのかね?初めて杖を握ったように見えたが」

何の前ぶりもなくスネイプが突然問いかけた。

「え、えーっと…」

流石スネイプだ、鋭いところを憑いてくる。
オリバンダーの店での疑いの視線はこのことだったのか。

唐突だったのもそうだが、なによりも吐き気と戦っていたアゲハは急な質問に動揺する。

「りょ、両親が杖をも、持たせてくれなくて…こ、この夏からホ、ホグワーツで魔法を学べと言われて…ゆ、友人のダ、ダンブルドアに頼み込んでですね…」

スネイプは片眉を上げて、いかにも信用してなさそうな視線を向けている。

「実に興味深い内容ですな。…それよりそのドモリを何とかしろ!腹が立つ」
「す、す、すみません!…あ」

スネイプは「呆れたやつだ」と吐き捨てるように言った。



ホグワーツ城内に入り、玄関ホールまで差し掛かると、アゲハは口を開いた。

「き、今日はありがとうございました。…とても楽しかったです」

顔を赤く染めながら感謝の言葉をスネイプに告げ、頭を下げる。

嫌みばかり口にしていたスネイプは感謝されるとは思ってもおらず、顔には表さなかったものの内心困惑した。
そんなスネイプの気持ちなど知る由のないアゲハは興味本意で早速手に入れた杖で「エクスペリアームズ」と唱える。
すると花瓶が床に落ち、割れてしまった。

(まずい!)

そんな慌てているアゲハをスネイプは無意識に目で追っていた。
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