炎のゴブレット


□14.第二の課題
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ホイッスルが冷たく静かな空気に鋭く鳴り響いた。
上からムーディがハリーの背中を押すのが見える。

「どうしよう!ハリーを殺しちゃた」

(ちょっと無責任だったかな)

ネビルが頭を抱えているのを見て思った。
あそこまで言っておいて他人に任せるのはどうかと思っていたが、ハリーが水面から現れイルカのように見事な一回転をしたことから結果的にはヒント以上のことを教えたのかなとプラスに考え直した。

湖に築かれた何段にも組み上げられたスタンドが拍手と歓声でどよめく。
アゲハも歓声を送り、手すりにもたれながら選手たちの帰りを待った。


「最近忙しそうだけど大丈夫なの?」
「全然大丈夫!ほらこの通り」

アゲハは力こぶを作って見せた。

「でも、ろくに食事も取らないでいつもどこかへ行っちゃうじゃない。少し休まないと――」
「アンジーは優しいね。でも本当に元気だから。ありがとう」

浮かない顔をしていたアンジェリーナはなにか閃いたのか「もしかして」と呟きアゲハを見た。

「またスネイプなの!?」
「またってなによ!またって」
「だって…やっぱいいわ。スイッチが入ったら大変!」
「言っておくけど、みんなが思ってるような人じゃないよ。確かに陰険根暗教師だけど本当は優しいしその上かっこいいし――」
「入っちゃった…」

スネイプのことになると人が変わるアゲハに、アンジェリーナは軽くあしらう。

「やっぱりアゲハって変わってるわ」


その後、フラーは失格になり、クラム、セドリック、ハリーの順で湖から戻ってきた。

「ちゅうもぉーく!」

ダンブルドアの魔法で拡大された声にスタンドの観衆はしんとなった。
審査は、1位にセドリック、2位にハリー、3位にクラム、4位にフラーという結果になった。

観衆が大きな声援でわく。
ただカルカロフは結果に不満があるようで不快感を示していた。

「――実に道徳的な行いじゃ!」

ダンブルドアがハリーを称えた。

アゲハも周囲のグリフィンドール生と一緒になって力一杯拍手を送った。
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