炎のゴブレット


□15.パッドフット帰る
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アゲハたちは朝早くに城を出た。
校庭を淡い銀色の太陽が照らしている。
前回はハニー・デュークスで購入したお菓子を洞窟に置いてきてしまったため、再び食べてみたかったお菓子を買った。
それからはゾンコの悪戯専門店でどんな悪戯をするか企んだりウィンドウショッピングをしたりして楽しんだ。

「なに?やめてよ、フレッド」
「おいおい、俺はなにもしてないぜ」

奇妙な植物が飾られているショーウィンドウを覗き込んでいたアゲハはコートを何度も引っ張られ、後ろを振り向くとフレッドは肩をすくめた。
隣のジョージを反射的に見ると、ジョージは首を振った。

「いいや……下を見ろよ」
「え…?」

足元を見るとそこには尻尾を振りながらアゲハの靴を嗅ぐ、大きな毛むくじゃらの黒い犬がいた。

「うわあ!!!」

犬は突然の大声に驚き飛び退くも、再び近寄りお菓子の入った袋をくわえて走り去った。

「私のお菓子が!」
「おい、待て!」

アゲハの後にフレットとジョージが続く。

「一人で大丈夫!なんとかなるから!」


好意で後ろから追いかけてくる二人に礼を言いながら急いで黒犬の後を追った。
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