炎のゴブレット
□03. 信じられない
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グゥー
アゲハの腹がなった。
自分の顔が赤くなるのを感じる。
(恥ずかし−!そういえば、朝食食べて無いんだったー!)
「ほっほっほ、糖蜜パイでもいかがかの?」
ダンブルドアが杖を一振りするとアゲハの前に糖蜜パイが現れた。
アゲハは礼を言い、目の前にある皿に手を伸ばす。
「さっきの話しじゃが、アゲハは異なる時代から来たのかの?」
「…はい。――異なる次元の未来からきました」
(未来…)
アゲハはこの世界の“未来”を知っていることを言うべきか迷った。
しかし、ダンブルドアには知っておいてもらおうと思い、打ち明けることにした。
「……実は、私この世界の未来を知っているんです」
少々唐突過ぎただろうか。
流石のダンブルドアも驚きを隠せなかった様で、そうかそうかと言って立ち上がり部屋を行ったり来たりし始めた。
何かを深く考えているように思えた。
そして、徐々に落ち着いてきたアゲハはある質問をしてみることにした。
「あのー。ところで、今ハリー・ポッターは何年生ですか?」
「今年から4年生じゃが…?」
「…ええー!」
(炎のゴブレット!?もしかして…あの時の本が!?親世代祭りがー!リーマスの授業が!セブの女装が!理事の時のルッシーにも会えなかった!クィレル教授……)
一番クィレル教授を救えなかったことが悔やまれる。
あの時なぜ“賢者の石”の本をもっていなかったのだと自分を責めた。
ぶつぶつ呟いているアゲハを不思議に思いながらもダンブルドアは言った。
「来たときから言おうと思っておったんじゃが、今年からホグワーツの生徒になる気は無いかの?」
その言葉で我に返ったアゲハは、1秒も経たないうちに“YES”と答えた。
「年はいくつかの?夏休み明けに転校生として迎えよう」
「はい、16です。だからえーっと、ホグワーツでは6年生?」
「そうじゃな。――もしハリーと同じ学年が良かったらそうすることも可能じゃが…」
アゲハは迷ったがどっちにしろ命がけで守ると決心した以上、結果は一緒だと思い“大丈夫だ”と返事をした。
これ以上死者を出さないためにも…。