炎のゴブレット
□05.ダイアゴン横丁
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澄み渡る青空の下、アゲハは廊下をマクゴナガルと共に歩いていた。
今日はダイアゴン横丁へ新学期の買い出しに行く日だ。
わくわくしながら玄関へ向かっている、と思っていたが違ったようだ。
マクゴナガルは地下へ通じる階段を降り始めたではないか。
アゲハは慌てて問いた。
「先生、玄関はあっちですよ。そっちは地下牢です!」
「私をホグワーツに何年居ると思っているのですか。ここに来てたった一週間しかたっていないあなたに言われなくとも、そんなこと承知済みです」
ツンとした口調で述べるマクゴナガルだが、ここに来た時よりも勉強を教わるなど、驚くほど関係が良くなった。
ダンブルドアは忘却術でも使ったのだろうか。
階段を下り終えるとマクゴナガルはドアの前で止まった。
(嫌な予感が…)
その予感は的中した。
マクゴナガルがドアをノックすると奸悪さそのものの返事が返ってきた。
そしてドアが開くと大鍋の向こうにやはり彼がいた。
「マクゴナガル先生、我輩に何か用ですかな?出来れば調合中ですのでお引き取り願いたいのですが」
「はい、アナタは“手が空いている”と聞きましたので。私は今から藪用があるので、この子の買い出しに付き合うようにと」
マクゴナガルは“手が空いている”を強調して言うと、後ろに隠れていたアゲハの背中を押してスネイプの方へ突き出す。
突き出されたことに驚きつつも、目が合ったら石にされるとでも言うかのようにアゲハは研究室の床を眺めることに専念した。
マクゴナガルはリストをスネイプに渡すと用事とやらに間に合わないのか早足で部屋を出て行ってしまった。
沈黙の時間がやってきた。
冷たい視線を感じる、気がする。
これは床に釘付けの視線を上げるべきかと頭を動かしかけた途端、ノックする音と共にダンブルドアがドアを開けて入ってきた。
「ダンブルドア、出来れば返事を待ってから入室願いたいものですな」
「すまんかったのう」
笑いながら誤るダンブルドアは全く反省していない。
「沈黙を邪魔して悪いんじゃが、アゲハをダイアゴン横丁に連れて行って貰えるかの?わしは急用ができてのう」
ダンブルドアは先を読んで残念そうに行けない理由を述べた。
「すまんのう」と笑顔で頼むダンブルドアとは対照的にスネイプは舌打ちをし、負のオーラを放ちながら鍋の中身を消して片付けを始めた。
部屋を出る途中にダンブルドアはアゲハの耳元に話しかけてきた。
「わしからのサプライズは喜んで貰えたかの?」
「サプライズ過ぎますよ!」