企画
□祝10000打突破企画
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太陽が燦々と輝く昼下がり、幼い二人の兄弟が公園で遊んでいると、二人と同じくらいの年の可愛い女の子が片隅で泣いていた。
二人はひとりでいることを不思議に思い近づいた。
「どうしたんですか?」
レギュラスの問いかけに一瞬泣き止み、二人の方をちらっと見たものの女の子はまた泣き出してしまった。
シリウスとレギュラスは顔を見合わせた。
「名前はなんていうんですか?」
「ナマエ・ミョウジ」
「親はどうしたんだ?」
「…いないの」
しゃくりあげながら話す言葉を聞き取り、二人は質問責めにした。
その結果、ナマエはどうやら魔女で身に付けいる衣類などから日本の由緒ある名家のでらしいのだ。
そして、日本から来た継母に置き去りにされたと話した。
二人は今もなおわんわんと泣くナマエを可哀想に思い、家に来るように進めた。
二人は強制的にナマエを家に招き入れ、両親に反対覚悟で打ち明けた。
しかし、予想とは裏腹に両親は保護者が受け取りにくるまでという条件を付けて受け入れ、父のオリオンに至っては「娘が出来た」と喜んだ。
純血の証拠があったのが良かったのだろうか、二人は安堵のため息をついた。
***
それから長い年月が過ぎ、ナマエの美しさは鰻登りの勢いだった。
ホグワーツに入学すると同い年のシリウスとは違うスリザリンで一層親から可愛がられた。
生徒たちからはいつも月を見つめていることから“かぐや姫”と名付けられ、持ち前の美しさと誰にでも優しいところから男女学年寮を問わず愛された。
「ナマエ姉さん、おはようございます」
「おはよう、レギュラス」
「よお、ナマエ。おい、またレギュラスと一緒かよ!」
そんな思いを寄せる中に義理の兄弟も含まれた。
「兄さんが遅いから悪いんですよ。どうせ、また愉快な仲間たちと連んでいたのでしょう」
「うるせぇ!そもそも寮が違うこと自体が不公平だ!」
「あなたが自分で選んだんでしょう」
日課の罵り合いで1日が始まり、1日が終わる。
こんな平和な日々がずっと続けばいいのに…ナマエは毎回真ん中に立ち喧嘩を止めながら思った。