企画

□Last Christmas U
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聖なる夜、大広間にはホグワーツに残った生徒たちが集まり豪華な料理ののったテーブルを囲む。

そして今現在ナマエの隣にはなぜか鳶色の髪の少年が座っている。
目の前にいるセブルスに至っては彼を睨みつけている。

なぜこのようなことになったのだろうか。


それまでの過程は…。



「えぇっ!リリー帰っちゃうの!?」


大広間から出てきたナマエは帰り支度のリリーを見つけ声をかけた。


「去年帰れなかったし今年は家族と過ごしたいのよ」


リリーは「ごめんね」と申し訳なさそうな顔をする。

今年は楽しく過ごしたかったのに、とナマエは去年のクリスマスのを思い出し眉根を寄せた。


今年はあのような思いをしたくないから親しい友達と過ごそうと考えていたのに。


寮のみんなと過ごそうか、もう同じ過ちはしたくない。
ナマエが考え事をしているとリリーが口を開いた。


「あっ、そうそう!“彼”は残るみたいよ」
「“彼”って?」
「リリー!」


ナマエが首をかしげていると後ろからリリーの名を呼ぶ大声が迫ってきた。


「じゃあもう行くわ。良いクリスマスを」


そう告げるとリリーはそそくさと行ってしまった。


「待ってよ!リリー!」


声の主はやはりジェームズ・ポッター。

ジェームズは周りには目もくれずリリー目掛けて一直線に走っていった。
そのため周りの生徒たちは突進してくるジェームズを慌てて避ける。


「じゃあな、ムーニー」
「げ、元気でね」


シリウスはナマエの隣を通る際に意味ありげなウィンクをし、ピーターと共にジェームズの後を追っていった。


取り残されたナマエは同じく残されたリーマスと目が合う。

嵌められたと思いながら微笑む“彼”に背を向け寮へと戻った。


寮ではセブルスと珍しく残っているレギュラスとプレゼントを開けたり、お菓子をつまんだり、他愛のない話で盛り上がったりと楽しんだ。

夕食の時間になると、特別な料理にわくわくしながら大広間のテーブルに座る。


しかし楽しい時間もつかの間。


「隣に座ってもいいかな?」


聞き慣れた声に斜め後ろを見るとリーマスが立っていた。

ナマエは無視を決め込みそのまま正面へと向き直す。

だが、無言を可と取ったのかリーマスはナマエの隣に腰掛けた。



それで今に至るというわけだ。


「食べる?」


リーマスはクリスマスプディングを前に差し出す。
そんな彼の顔を見ると口の横にプディングの欠片が付いており口元を緩める。


「いらない」


だがすぐそっぽを向き抵抗心を露にする。


なによ…今さら……。

去年あんな仕打ちをしておいて今までずっといないもの同然だと見なしていたくせに…。
急に馴れ馴れしくなって。


優しくしないでよ…。

よりによってクリスマスに……。



「私先に寮に帰ってるね」


ナマエはセブルスとレギュラスに向かって言うと大広間を後にした。
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