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□第一章 貴方の世界へ
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窓から心地よい日の光が差し込む中、なまえは目覚めた。
瞼を擦りながら時計に目をやると針はだいたい6時辺りを指していた。
どうやら丸一日眠っていたようだ。

パジャマ姿のままトリップして来た訳だしとりあえずシャワーを浴びたいとベッドルームと繋がっているバスルームへと向かう。

「この部屋には何でもあるなー。さすがヴァリアー・クオリティー!」

シャワーを浴び終えると畳んで置いてあったYシャツとズボンに身を包む。
ブーツまで親切に置いてあり、裸足で来たため助かった。

「ちょっと大きいけど…。なんかマフィアっぽい」

自分もマフィアの仲間になれたような気持ちになり、なまえはにやっと笑った。


「お腹空いたなぁ」

黒髪をタオルで乾かしながら一人呟いた。

部屋から出ようと考えたが不法侵入者と間違えられて殺されるということもありかねない。

なまえは何かないかと辺りを見回すと果物の詰め合わせが棚の上に置いてあるのを発見した。
早速真っ赤なりんごを勢い良く丸かじりする。
すると嫌な感触と共に鈍い音がした。
それと同時になまえはりんごを吐き出す。

「これ、フェイクじゃん!」

果物詰め合わせは全て良くできた作り物。

そうだよね、こんなに大きいナッポー作り物だよね。
隣に一メートルはあるナッポーが置いてあったのに、信じた自分が馬鹿でした。

でもそれだけお腹がすいているのだよ。


なまえが果物たちと睨みあっていると扉をノックする音が聞こえた。
なまえは慌ててりんごのかじってしまった部分を隠し証拠隠滅を図った。

「入るぜ……なんだぁ起きてるじゃねぇか」
「なんだスクアーロか…おはよう」

なまえは冷や汗を拭う。

「俺で不満かぁ?…飯だ、来い」

(なんでムスくれてるんだろ?)

またボスにいじめられたのかなと思いながらなまえはスクアーロの後に着いていった。


(眠ってた一日はカウントしないで)ヴァリアーでの初日スタート!





朝食へ向かう途中スクアーロは隣を歩いているなまえに何気なく目をやる。

「う゛…」

服装を見たとたんあまりの衝撃に立ち止まってしまった。

もちろん胸元に目がいく。

「う゛お゛ぉい!」

Yシャツから下着が透けているではないか。

突然の“声がデカいマフィアランキング第一位”の雄叫びになまえは耳を塞ぐ。

「いきなりなに!?」
「俺のを着ろおおぉ!」

スクアーロは即座に隊服を羽織らせる。

「なんで?寒くないよ」

キョトンとしているなまえは本当に意識がないらしい。

「いいから着ろぉ!」
「へいへい」

なまえは軽返事をして大人しく隊服のボタンを閉めた。

一気に体温が上昇した気がする。

「大丈夫?なんか顔赤いよ」
「(お前のせいだあああぁ!)」

スクアーロは心の中で叫んだ。

「ちょっとしゃがんで」
「あ゛?」

言われるがままスクアーロがしゃがみ、なまえと同じ目線になるとなまえは額をつける。

「良かった。熱はないみたいだね」
「…よ、よけいなお世話だぁ……」

予想外の行動に加え、微笑むなまえにスクアーロはさらに動揺した。
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