short

□お味はいかが?
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※グラシエ誕
※中編オリ主が出てきます。


「「サプライズ!!」」

古い小屋の扉を開けた途端、耳に響いた大声にグラシエは肩を震わせた。

「グラシエお誕生日おめでとう!」

それを合図に薄暗い中から現れたユウとロビンは歌い出す。その間ずっとロビンは後片付けの心配をしたくなるほど魔法で紙吹雪を出し続けていた。
歌い終わるとグラシエはユウの持っているケーキの蝋燭を吹き消した。

「どう、驚いた?」
「嬉しすぎて言葉が出ないらしいぜ」

ロビンはニヤニヤしながらグラシエをこづく。グラシエは口角を上げながらそれを払った。

「……ありがとう」

肩に乗っていた紙吹雪を払いのけ感謝の意を伝える。

「小屋に行くよう頼まれた時、ロビンのことだから何か罠が仕掛けてあるのではと身構えていたんだが……」
「おい、“優しい友人”にそれはないだろ!」
「日頃の行いね」
「ユウちゃーん?」

眉根を寄せて膨れっ面をしてみせるロビンの胸を軽く押した後、ユウはケーキを魔法で食べやすいサイズに分けた。

「私の手作りなの!食べてみて!」
「わざわざ悪いな」
「そんなことないよ!作るの楽しかったし、なんてったってグラシエの誕生日なんだもん。私からも祝わせて」
「じゃあオレも……」
「ロビンはまだだめ!主役が先!」
「チェッ」

ケーキへと伸ばした手をパシンと叩きユウは笑顔でグラシエの方を見る。

「どう?」

これは、どう言い表せばいいのだろうか。
食レポ力が試されている。

彼女はケーキに何を入れたのだ…。
しかしニコニコして自分を見つめるユウに本音を言えるはずない。

グラシエは冷や汗を隠しながら無理やり口の中のケーキを流し込み、口を開いた。

「う、うまい!」
「ほんと!?もっとあるからたくさん食べてね!」
「あ、ああ……」
「え!オレのは!?」
「ロビンは誕生日もう終わったでしょ!」
「だってオレの時何も無かったじゃーん!」

余りにロビンが鬱陶しいためグラシエはケーキを渡す。
初めこそ歓喜の声を上げたロビンだったが、いざ口にするとグラシエと同じ返答をするのであった。


fin.

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