セブ誕 2014

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兄のフレッドとジョージはホグワーツでは、ちょっとした有名人だ。
それは残念ながら良い意味じゃないけれど。
おかげで、妹として入学した時の周囲からの目線はあまり良いものではなかった。

ふんぞり返ってるパーシーみたいになるのか
フレッドとジョージのように悪戯をするのか
裏では賭なんかもされてたみたいだ。




8人兄弟であるウィーズリー家には私の下にロンとジニーの2人が残っている。

ここで私が大暴れして兄達の悪戯にのったなら、ロンの学生生活も最悪なスタートをきっただろう。



でも私、エイミー・ウィーズリーは自分でいうのも何だけど、大人しい性格だ。

兄弟でいうならビルと似ているからか勉強は得意な方だ。
でもクィディッチは苦手。そこは似てない。
悪戯もしない。






そうして数年間を過ごすうちに、
目立つ親友をもったロンや、派手なことばかりする双子の兄に挟まれた私の影は薄くなる一方だ。もちろん良いことなのだけれど。


付け加えると、一番下のジニーも、秘密の部屋で色々あってダンブルドアに注目されてるし、やたら糞爆弾を投げたりして、目立った生徒なのだ。


マクゴナガル先生は何を思ったのか私を監督生にしたけど、それもきっと兄達の多くが監督生だったからだろう。




そんな私は、友人達と過ごすより独りが好きだ。
でも仲のいい友人がいないって訳ではなくて
私の寮は兄弟と同じグリフィンドールだけど、スリザリンに親友が1人。

堂々と会うと色々あるから、スリザリン寮のある地下の、2人だけの秘密の教室で一緒に過ごす。


親友はアダム・エインズワースっていう男の子で、もし双子の兄あたりが知ったならすごいことになって、母さんから吼えメールが来るんじゃないか。


毎日こっそり地下に通う私は影の薄さからか、
今のところ誰にもばれていない。






「やぁ、エイミー」
彼が片手をあげた。私が言えるのか分からないが彼は変わり者だ。
とってもハンサムなのに、友人をあまり作らない。
純血主義でもないのだが、それを知ってるのは私だけで、スリザリン寮内では孤高の王子様。なんて扱いだ。



以前、スリザリンらしくないわって言ったら
そう思われてることも、僕がスリザリンである理由の1つなんだ、って貴方は答えたけれど、それはどういう意味だったのかしら。


彼が首席で私が次席なのは、彼に勉強の質問をすることがある私としては何も不思議なことじゃない。



「ね、エイミー。スネイプ先生に呼ばれてるんだ。」
スリザリンとの合同授業である魔法薬学を見ていると誰でも分かることだけど、彼は贔屓されている。そもそも首席だし監督生なのだから当たり前だろう。


『ここで待ってるわ』
「僕と、君も呼ばれてるんだ」



彼は怒られるような何かすることはない。私だって何もしないけれど
スネイプ先生はきっと私が嫌いだ。


食事の時や、授業中、よく先生は私を睨むから。
何もしたつもりはないけど、双子の兄が悪戯をしたせいかもしれないし、理由を考えるのはかなり前にやめていた。


そんな彼と私が同じ用事で呼ばれるはずはない。
彼も同じように思ったのだろうか、不思議そうな顔をしていた。




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