白の従者(マギ)
□お買いもの
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意識を取り戻すと、紅玉の声が聞こえてきた。
「青蓮ちゃん!!」
「紅玉……様?」
「よかったぁ……あれから丸一日眠っていたのよぉ……」
「えっ!?い、一日!?そ、そんな……白龍様のお仕事に何か支障が出たら……!!」
「大丈夫よぉ。何とかなってたらしいしぃ……」
紅玉の言葉で何とか安心する青蓮。
「良かったぁ……ですが……一体、誰が私を寝台まで……」
「白龍ちゃんよぉ」
「そっ、そんなっ……!!」
あまつさえ丸一日従者の仕事を休んだ上に、倒れた直後に白龍に運ばれるなんて。
「私従者失格です!!」
「だ、大丈夫よぅ……きっと……」
「き、きっとって……紅玉様もちゃんと判断していないじゃないですかぁ!!」
青蓮は今にも泣きそうな顔だった。
「青蓮ちゃん……」
紅玉は青蓮の手をつかんだ。
「紅玉様……?」
「青蓮ちゃん、街に行きましょう!!」
「――え?」
「町まで行って気分転換しましょう!!」
「し、しかし紅玉様?町に行くとはその、つまり……」
「お忍びよ!!さあ、服を着替えて行きましょ!!」
紅玉は少し興奮気味に言った。
「紅炎様に叱られないでしょうか……」
「その時は私が何とかするわよぉ。さ、行きましょ!!」
紅玉は青蓮の手を引いて部屋から出た。