走ろう。


□2話
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――ドンッ。




「……?」


「痛ってぇ……」


突然、上から人が降ってきたので衝撃に備えようと目を閉じたのに、痛みが襲ってこない。


恐る恐る見てみると、私の少し右に降ってきた人がいた。


その人は腰をさすっており、私を避けるために無理な体制を取ったのが分かった。


「す、すいません!!大丈夫ですか!?」


声をかけると、その人は少し痛そうな顔をしたけど、


「うん、大丈夫大丈夫。ごめんね、君の方こそ大丈夫?」


と、私のことを心配していた。


「は、はい、大丈夫です!!」


「それは良かった」


パーカーに短パン、少し髪が長いけれど、とても綺麗な男の人。


「君は1年生かな?」


急に聞かれ、コクリと頷く。


「はい、1年の桜井奈々です」


「2年の水無月奏叶だ。よろしくな」


「よ、よろしくおねがいします!!水無月先輩!!」


「堅いねぇ。奏叶でいいよ。よろしく、奈々ちゃん」


少しハスキーな声にキュンときました。


「やっば、もう来た……ごめんね奈々ちゃん!!また会おうね!!」


私の後ろを見て奏叶先輩は私に手を振ってどこかへ走り去った。


何かに追われていたのだろうか?


瞬間、私の隣をすごいスピードで走り抜けていく藤原君が奏叶先輩が行った方向に走って行った。


「ふ、藤原君……?」


どうして奏叶先輩を追いかけていったんだろう?



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