妖変化

□序章
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幼いころから、人には見えないものが見えた。

おそらく、妖と呼ばれる類。

彼女の家系はその類を祓う家系のモノだった。

彼女の祖父が、一番強い力を持っており、

祓い屋の一角を担うほどだった。



月日が経ち、その祖父が死んだ。

彼女は祖父からある古い書物をもらった。

その時約束をした。


――これは的場家に渡してはいけないよ、決して。


彼女はその約束を今も守っている。























酒見瑠華。

夏目貴志と同じ高校に通う高校生。

タキと同じクラス。

以下不明。

これが夏目自身が持っている酒見瑠華の情報。


何故夏目がそのような情報を持っているかというと、西村から聞いたからだ。


最近転校してきたという酒見瑠華。


西村について行ったとき、夏目もチラと彼女を見たのだが、端正な面持ちで、誰が見ても美人だと思う。


そのとき酒見の手元を見てみると、自分が持っている「友人帳」と同じくらい古びている書物を彼女が持っていた。
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