走ろう。
□2話
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翌日。
なんか。
なんか。
なんか追いかけられてる。
おはようございます、水無月奏叶です。
朝通学してたら、凄い勢いで昨日ストライド部リレーで出てた黒髪くんに追いかけられてます。
無表情で走ってくるから余計怖い。
「なん、で、私、追いかけられてる!?」
別に私じゃないんじゃね?と思い、急転換して十字路を右に折れる。
黒髪くんはキッチリ私を追いかけてきていた。
「なんでだ!!」
そのとき坂になっているスロープが目に入った。
そちらに向かい、手摺りに足をかけ思いっきりジャンプ。
そして下の手摺りを握って、もう一段飛び越える。
その時、ちゃんと見ておけばよかった。
「きゃっ!!」
「っ!!」
女の子が、すぐそこにいることを。
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