走ろう。


□5話
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唐突に始まった新入部員歓迎会。


どうやら支倉先輩たちが計画していたようで。


「奈々ちゃんたちは分かるけど、私も?」


「奏叶ちゃんも新入部員なんだから、ゲスト側だよー」


小日向君はそういってオレンジジュースを注いでくれた。


「そういうもの?」


「そういうもの、そういうもの!!」


なんだか言いくるめられた気がするが、もう気にしないでおこう。


ローテーブルの上には小日向君が買ってきてくれたのであろうお菓子が散乱していた。


ポテチにチョコ、プリン……なんかとりあえずいっぱい。


「じゃあ、乾ぱーい!!」


あ、音頭は小日向君がとっちゃうのね。


支倉先輩は気にしていないご様子。


それからみんなはお菓子をつまみながら中学の時の事を話していた。


「水無月はどんな中学生活送ってたんだ?」


支倉先輩に言われ、え、と詰まる。


「えーと、中学早々スト部入ったのに母親に辞めさせられて、腹が立ったので地元のストライドチームに入ってそこで大会に出場。高校も同じでしたね。方南ではそういうことがないようにしたいと思います。折角みんなに会えたので」


「それで味覚が……」


「そのネタ好きですね支倉先輩!!今度センブリすりおろしりんご味ジュースあげますね!!」


アレは慣れるのに結構時間がかかった。


「うげ、止めとく」


支倉先輩は顔を抑えて拒否してきた。


絶対置いといてやろう。


シメシメと考えていると、頭を叩かれた。
バレたか。


それからみんなの事を聞きつつ、お菓子やジュースを飲んでいると、あっという間に時間が過ぎた。


「ありゃ、もうこんな時間!!明日休みだから、一日練習だねー」


小日向君がそういうと、他のメンバーもコクリと頷いた。


「じゃあ、集合場所はこの前行った公園で。時間とかはヒース君が決めてね!!」


簡単にまとめると、ゴミの片付けに入る小日向君。凄いなぁ。


私も手伝うことにして、ゴミ袋を焼却炉のところまで一緒に持っていく。


「ありがとー、奏叶ちゃん。さすがはるるんのお友達!!」


「それ関係ないでしょ……あ、小日向君ってさ、妹さん確かいるよね」


「?うん」


昨日気になったことを折角なので聞いてみることにした。


「心ちゃん……っていう名前だったりする?」


「あああ!!やっぱり奏叶ちゃんの妹ちゃんだったんだ!!」


「え?」


「心も転入生が来たって言ってて。その子の名前が水無月明日香ちゃんっていうらしくて。もしかしてって思ったんだけど……」


心ちゃんもどうやら明日香の事を言っていたらしい。


またもや意外なところで繋がりがあった。


「私の妹……明日香がお世話になってます」


「いえいえ僕の妹こそー。あ、メアド聞いていい?」


「うん、いいよ!!」


スマホを取り出して小日向君とメアドを交換する。


「よし、何かあったらすぐ相談で!!」


「了解です!!」


敬礼しながら部室に帰ると、遅いと支倉先輩に怒られた。


理不尽だ!!と、叫んだのは言うまでもない。



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