走ろう。


□6話
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翌日。


「明日香、お姉ちゃんのいうこと聞くのよ」


「はーい」


玄関で明日香とお母さんのやりとりを見てため息をつく。


視線で「絶対明日香に怪我させんな」と言ってくる母親超怖い。


「……それじゃあ明日香、行こっか」


こんなやりとりしてたら日が暮れる。


明日香の手を握って家から出た。


「お姉ちゃん、 心ちゃんのお家知ってるの?」


「地図が送られてきたから大丈夫だよ」


スマホで確認しながら小日向家を目指す。


20分ほどすると、お目当ての家を発見できた。


その家の前には、明日香と同じくらいの女の子が立っていた。
おそらくあの子が心ちゃんだろう。


「あ、心ちゃん!!」


「明日香ちゃん!!」


明日香は繋いでいた手を解いて、一気に駆けて心ちゃんの所に行く。


「ごめんなさい!!お母さんが心ちゃんに酷いこと言って……」


「ううん、大丈夫だよ、明日香ちゃんのお姉さんがお手伝いしてくれたんでしょう?」


「うん!!」


「じゃあ、今日はたくさん遊べるね!!」


2人はそういって笑いあっていた。
微笑ましい。


メールの着信音がして、スマホを見ると、小日向君だった。


《僕の家着けた?着けたらすぐに公園集合!!ヒース君が(「・ω・)「おこだよっ》


「マジかよ……明日香!!」


メールを読み終えて明日香を呼ぶ。


「私もう行くね。心ちゃんに迷惑かけたら駄目だからね!!」


「あ、お姉さん!!」


心ちゃんに呼び止められて、駆け出そうとした足を止めてそちらを振り向く。


「明日香ちゃんを連れて来てくれてありがとうございました!!」


「いえいえこちらこそ!!仲良く遊ぶんだよ!!」


そう言って今度こそ公園に向けて走り出す。


小日向君からの地図で、公園の行き方は分かっている。


支倉先輩怒ってませんように!!



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