走ろう。
□7話
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翌日。
いつものように適当に誤魔化して家から出て公園を目指す。
公園に着くと、藤がもう走っていた。
「おーい、藤ー!!」
声をかけると、こちらにやってきた。
「おはよう」
「……おはようございます」
「みんなは?」
「まだッス」
「そっか。じゃあ……」
「?」
「一緒に走ろっか!!」
「!!……ッス」
すぐにジャージに着替えて髪をお団子にすると、藤とランニングを始める。
規則正しい呼吸をしつつ、周りの景色を楽しむ。
緑が多いのでリラックスして走れる。
「……先輩」
「なーにー?」
「……」
「え、なんか言ってよ」
黙ってたら分からないぜ?
「……先輩は、ストライド好きですか」
「何を当たり前なことを。好きでやってんの。藤もでしょ?」
「……っす」
時計を見ると9:00五分前。そろそろ戻るか。
「藤、そろそろ戻ろう。部活始まる」
「……っす」
集合場所には全力疾走で。
みんな驚いてた。
その様子を見て、後でこっそりと藤と笑ったのはみんなには内緒。
🌼*゚ 🌼*゚ 🌼*゚
「さて!!行こっか!!」
お昼過ぎに練習は終わり、みんな帰り支度を済ませたときに小日向君が声をかけた。
「小日向氏よ、どこに行く?」
「フッフッフ、よくぞ聞いてくれた門脇氏!!最近隣の駅に新しく出来たゲーセンがあるのだ!!」
「ほほう、ではそこに行くと?」
「ご名答!!」
小日向君と門脇君の小芝居を見て、行き先を把握する。
「じゃあさっさと行くぞ」
「「「「「はーい!!」」」」」
「………っす」
支倉先輩の一声で全員部室から出る。
駅まで移動して、電車に乗ると休日の昼間のせいか、人がそんなに乗っていなかった。
「支倉先輩はどういうの得意なんですか?」
たまたま隣になった支倉先輩に声をかけてみた。
「あー……あんまねぇなぁ、これと言って得意なもの」
「そうなんですか?ありそうなイメージが」
「そういうお前はどうなんだよ」
「私ですか?基本得意ですよ。UFOキャッチャー、音ゲー、サバイバルゲームetc。何でもござれです」
「すげぇな」
そんな会話をしていると、降りるべき駅についたのでぞろぞろと降りる。
小日向君の案内で、ゲーセンに着くと最新の機器が揃えられていた。
「さー!!パーッと遊ぼ!!」
「桜井さん、こっちに可愛いぬいぐるみある!!」
「え、どれどれ!?」
「門脇、ゾンビゲームしよーぜ」
「支倉氏、嫌がらせですか?」
「藤、あっちのUFOキャッチャーやろ!!」
「……っす」
みんな散り散りになってしまったので、入口付近で固まっていた藤を捕まえて遊ぶことにした。
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