文豪ストレイドッグス
□プロローグ
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谷崎side
それは、ある日の雪空の下だった。
なんとなく、本当にそれだけなんだけど、少し道を変えて事務所に戻ろうとした。
「うっ……」
足の方から聞こえてきた呻き声。
ふと下を見たら、少し変わった様相をした少女が道端に横たわっていた。
「……あの」
「……たすけ……」
そこまで言うと少女は息絶えたかのように眠ってしまった。
「とりあえず、事務所に……」
少女を抱きかかえると、事務所へと向かった。
✿ ✿ ✿
「兄様!?その女の子は……!?」
ほら来た。
やっぱりナオミがボクの腕の中にいる少女に敏感に反応した。
「谷崎、その少女は一体なんだ?」
国木田さんも気になったらしく、声をかけられた。
「あ、その……気分転換で今日は別の道から来たんですけど、その道すがらこの娘(こ)を発見したので……」
「ここに連れてきた、と」
「はい、そうです」
とりあえず少女をソファに寝かすと、仕事に戻った。
その少女を拾ったことにより、こんなことが起こるなんて、きっと誰も思っていなかっただろう。