白の従者(マギ)
□第三皇子
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「あれぇ〜?君、見たことのない顔だねぇ」
白龍の使いを頼まれ、回廊を歩いていると声を掛けられた。
「――え?」
「君だよぉ。青い髪の君ぃ。名前はぁ?」
「華青蓮です」
「あ、白龍の従者って君かぁ。包帯して無いから判らなかった。ボクは練紅覇。白龍の義理の兄だよ」
「こ、紅覇様!?た、大変失礼を……」
青蓮は慌てた膝を折る。
「あー、いいよいいよ、かしこまらなくてぇ。ボクそういうの大っ嫌いだから」
「し、しかし……」
「皇子の僕の言うこと聞けないのぉ?」
皇子、という単語を出され、青蓮は仕方なく顔を上げた。
「へぇ、紅玉の言う通り綺麗な目をしてるねぇ」
「そ、そんな……勿体なきお言葉……」
「綺麗綺麗。君さ、ボクの侍女にならない?」
「えっ!?」
驚き声を荒げる青蓮。
「そんなに驚かなくてもよくない?」
「す、すいません……」
「ねぇ、なんない?侍女」
「え、えっと……その……」
返す言葉に困っていると、青蓮の肩に誰かが触れた。
「あ」
「え……?」
「紅覇殿……『俺の』従者に何か用ですか」
肩に触れたのは、白龍だった。