白の従者(マギ)
□信頼
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翌日。
青蓮が白龍の部屋に着くより前に、白瑛が部屋の中に入った。
「白龍、入りますよ」
「姉上!?入る前にその言葉を言ってください!!」
「別にいいじゃないの。姉弟なんだし。それより、青蓮とどうなの?」
「青蓮……もう姉上の耳にも入っていたんですか」
「当たり前よ。青瞬から話は聞きました」
白瑛は腰に手を当てながら弟を見た。
「……アイツは、目が見えません」
「……えぇ、そうね」
「戦闘能力が、ないと見受けます。そんなやつは、いらな──」
「白龍」
最後まで言い終わらずに白瑛が口を挟む。
「見た目でそう判断してはいけません。なんなら、試してみれば良いではないですか」
白瑛のその言葉に驚く白龍。
「そんなこと、出来る筈ないでしょう!!!?彼女は目が見えなくて……」
「ですが白龍。あの子は、恐らく──」
その時、扉を叩く音がした。
「白龍様、お早うございます。青蓮です。お目覚めでございましょうか?」
扉を叩いた主は、青蓮だった。
「青蓮か……起きている、入れ」
白龍が扉に向けて言うと、青蓮が入ってきた。
「おはようございます、白龍様……白瑛様も、いらっしゃいますか?」
「よくわかったわね、青蓮。おはよう」
「おはようございます、白瑛様」
青蓮は丁寧に礼をする。
「そうだわ、青蓮。これから白龍とお茶をする約束をしたの。貴方も一緒にどう?」
白瑛がいきなり出だした。
「姉上!?そんなやくそ――」
否定をしようとした白龍の口を白瑛が手で塞ぐ。
「え、しかし白瑛様。ご迷惑では……」
「いいのよ。私の側近の青瞬もいるし。四人で一緒にお茶しましょ」
白瑛はそう言いながら白龍と青蓮の手を引いて部屋を出て行った。