白の従者(マギ)
□お茶会
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白龍は、不満ダラダラだった。
「なぜお前とお菓子を取りに行かなくてはいけないんだ」
腕を掴んでいる青瞬を見ている白龍。
「仕方がないでしょう、姫の事ですし。きっと青蓮殿と話がしたいのでしょう」
「……青蓮と?」
「先日、言っていましたよ、青蓮殿と話がしてみたい、と」
「……あんなやつと、喋って得などないと思うが……」
「あんなやつって……そんなに働けないのか?」
「もはや敬語解除か。……いや、働けているが、眼が見えていないというのが……嫌だ」
青瞬は脚を止めた。自然と白龍も足を止める。
「……どうして、そんなことを言うんですか?」
白龍ははっとしたように我に返り、掴まれている腕を振り払った。
「べ、別に……お前に言うことは……ない」
「どうしたんですかぁ、皇子ぃ〜顔真っ赤ですよ〜」
青瞬は顔が真っ赤な白龍をおちょくりに入る。
「なっ、赤くない!!そ、それより茶菓子を……」
「あ、そのことなんですが、お菓子、不要ですよ」
「……は?」
「いやぁ、姫に言われたんですよ。青蓮と話がしたいから、いい具合に皇子を連れ出してくれ、と」
つまり白龍は。
二人の作戦にまんまと嵌ってしまったのだ。
「―――なぁ!?」
白龍のおかしな叫び声は、煌帝国の空に響き渡った。