Poem

□The Arms of Sorrow
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『生きた証』




木目のテーブルに置かれた
赤黒く染まったナイフとメモ帳

メモ帳に書かれた字は
原型を留めていないけれど
それは貴方の字にそっくりだった

ナイフに付着した血は
既に新鮮さを失っていたけれど
それは貴方の匂いにそっくりだった

胸に溜まっていた何かが弾けて
私の喉の奥から流れ出ていく

生温かい貴方への情熱が
虚しい静寂と現実に消されていく
床に立てた爪痕は皮肉にも消えない



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