短編集)江戸見聞録
□攻める鬼兵隊。
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『ふんふん♪放送コードがなんぼのもんじゃ〜い♪』
ここは鬼兵隊の船の中。
私は特にすることもなく、万斉先輩に貰ったお通ちゃんのアルバムを聴きながらのんびりと自分の部屋で過ごしていた。
するとそこへ。
「なまえっ!!」
『ん?また子ちゃん?』
また子ちゃんがバターンと勢いよくドアを開けて部屋の中に入ってきた。
「...っなまえ...」
『ん?』
あれ、なんかまた子ちゃん様子おかしくない?
なんか...なんていうかいつもとオーラが違うっていうの?
なんか...
『また子ちゃん?何かあったのーー....っ!!?』
私の近くで立ったままのまた子ちゃんに近づいて、顔を覗き込もうとした瞬間。
「...なまえ捕まえたっス」
『へ?』
なぜか私はまた子ちゃんに正面からギュッと抱き締められていた。
『ま...また子ちゃんだよ...ね?』
「また子っス」
『どどどどうしたの!?いきなり...抱き締めたりして...っ!!』
突然のまた子の行動に驚いて固まってしまう。
いつもならこんなことしないのに...
なんだか今日のまた子ちゃん積極的?
恐る恐る顔を見上げてみると、顔が少し赤くて興奮したようなまた子の顔が...
な ん だ こ の 状 況
え何これ何フラグ??
頭が混乱してきた。
「なまえ...かわいいっス...めちゃくちゃにしてやりたいくらいっス...」
『へっ!!、』
「キス...したいっス...」
とか言ってだんだん顔を近づけてくる。
『ちょっ...ま待って!!ちょ、』
あと数センチで唇がくっつきそう...
この際だからまた子ちゃんには悪いけど...っ!
『てっ...ていやァァァアアア!』
「ふぐぅっ!!!」
また子ちゃんの腕を掴んで背負い投げした。
あ、気を失ったらしい。
『ふぅ、一件落着〜!』
気絶したまた子ちゃんをベッドに寝かせて、部屋の外に出た。
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