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都会の喧騒から離れたある屋敷の中
その一番奥の部屋の主である少女は、ソファーに腰掛け少々苦しげに目をつむっていた。
ギィッ
扉が開き、棒付きキャンディーをくわえた女の子が顔をだす。
トコトコとソファーまで近づくと、座っている少女の金色の髪の隙間から顔を覗き込む。
『璃織、大丈夫?』
璃織と呼ばれた少女はゆっくりと瞼を上げると、その綺麗な翡翠色の瞳に自身を心配してくれた女の子をうつしだす。
「…ーー大丈夫、ありがとう」
それでも心配そうな雰囲気の彼女の頭をさらりとなで、少女はつぶやく。
へーきへーき、なんとかするよ
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