雷門探偵事務所

□第1章 小さな探偵たち
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「座って?ケーキがあるの食べてね。」


「いいんですか?」


パーッと顔がにこやかになる。
余程、食べたかったのだろう。
「申し訳ないですよ」ともうひとりが言うものの、食べたそうな顔をしている。
甘い誘惑には、弱いようだ。
それに、思わぬところで経費の削減もできるのだから。


「いいのよ。あなたたちのために買ってきたのだから。どうぞ召し上がって。紅茶でいいかしら?」


「はい!」


「ありがとうございます。」


紅茶のいい香りをかぎながら、待っていると、玄関で物音がした。
探偵たちは、顔を合わせる。なにせ、空き巣にあったあとなのだから、つい警戒してしまう。


「夏未〜ただいま〜靴があるけど、客か?」


「バカね。空き巣に入られたんだから、探偵さんを呼んだんじゃない。」


クスクスと微笑む夏未と入ってきた男性。
まぁ、夫だろう。
空き巣にあったというのに、陽気すぎる。


「可愛い客だな。円堂守よろしくな!」


円堂守と名乗ったその人は、探偵たちの前に座り、夏未も紅茶を持ってきて、守の隣に座った。


「探偵さん。事情聴取するのでしょう?」


「あっ。はい。ついケーキに…」


「すみません。その前に、僕たちの紹介がまだでしたね。」


「雷門探偵事務所 皆帆和人。中学2年生。」


「同じく、真名部陣一郎。中学2年生。」


「「事件のことは僕たちに任せてください!」」
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