語物語

□壹話
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『高尾和成』
秀徳高校一年生でバスケ部に所属。「鷹の目(ホークアイ)」の持ち主。
キセキの世代の一人真くんーー私の幼馴染の緑間真太郎の自称相棒で一年生にしてスタメン入り。
ジャニーズ系イケメンでノリが軽くお調子者で俗に言うクラスのムードメーカー。
実際、真くんは彼の第一印象を『軽薄そう』と言っていた。
だがその反面、人の心境に敏感でその変化を正確に読み取り、気遣いを見せる。彼は冷静で思慮深い人物でもあるのだ。

そして私が出会ってまだ一年もたたないのにこれだけのことを語れるのはきっと彼が『そういう人間だから』の一言につきるのだろうと思う。


閑話休題。
私はさっき高尾くんに対して人の心境に敏感と称したが、対象的に彼は自分の心境を他人に読み取られることはない一切無い。
いや、この言い方には少し語弊がある。言い方を変えよう、彼は絶対に心境を読み取られないようにしているのだ。他人に気づかれないように、気づかれたとしても完璧に誤魔化す。
完璧に完全に無傷に無疵に十全に純正に見事に見限る程にーー読み取られないようにしているのだ。

だからこそ、
彼が『そういう人間』だからこそ、
高尾くんは魅入られてしまった。
ーーそれが、これから私が語るお話なる。
彼ー高尾和成くんが『雀に魅入られた』物語。
ただ単に、高尾くんの心が成長して真くんとの絆がもっと深くなる物語でもある。
どうか気を楽にして最後まで聞いて欲しい。



ーーだってこんなのはただの、青春の一ページでしかないのだから。







語物語
其の壱 たかおスパロー








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