人と妖怪の狭間で

□第5章
1ページ/2ページ

サアァアア



『ここは…』




「遊びましょう」




なっ!?


まさかここは…




「ツキト、リクオ…その娘は…」



親父…




「お父さん!遊んでくれたの。このお姉ちゃんが!」




最初、親父はとまどっていたが、その女の子の手をとった



しばらくするとリクオが何かを見つけたのか


「あ!何だろうアレ」


と言い俺の袖を掴みながら走っていく



『ちょ、リクオ!』


今、親父からはなれちまったら…



「2人共、あまり遠くへいくなよ」



後ろから親父が呼びかけてくる



まずいっ!



『リクオ!』



「なぁに?」



『少しここで待ってろ』



「え?う、うん」




リクオをその場に止まらせ急いで親父の元へ走る



「“七重八重 花は咲けども 山吹の”」




だめだ!

その古歌を口にしたら…



くそっ

間に合ってくれ




ズブ




『あ…』




目の前でスローモーションのように親父の体が傾いていく


そして、倒れた親父の周りに広がる“赤”



『う…あ…お、おや…じ…』
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ