華の乱
□気づくまでの距離
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「梅ちゃん、ベタ出来たけど…………、梅ちゃん?」
「ん…、あぁ、ありがと」
そう言って荷物を片づけるのは、俺のアシスタントの多岐藤玲鳴。同じクラスの女子生徒だが、隣の部屋に住んでいていつもこんな風に手伝ってくれる。
たまにご飯や掃除までしてくれたりする。
「何でだろ…」
御子柴は、そんな俺を見て鈍感だ!と騒ぎ立てる。確かに俺は、恋愛を題材にマンガ書いてるけども、恋愛なんてしたことない。
鈴木君とマミコの恋の行方も、たまに突拍子もなくて宮前さんに怒られることも多々あるけど…
何でここまでしてくれるんだろう。
それが今の脳内を占めていた。