華の乱

□リスキーゲーム
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「おい玲鳴」
「農業科が何のようかしら?」




ブロンズヘアーを腰まで伸ばし、少し青みがかったブルーアイズの彼女は、教室の入り口で仁王立ちした。




「今度、ここに行こう」
「!!!!!!、……い、いつ?」
「次の休み、だから明後日か」
「わ…分かった…」





顔を赤らめて承諾したのは、多岐藤玲鳴。
カナダと日本のハーフの玲鳴は見た目も育ちも荘厳たるお家柄のお嬢様である。出身は神奈川で、突然田舎に興味を持った両親に引き連れられ北海道に移住。
そして大蝦夷農業高等学校(以下、エゾノー)に一般入試で入った。



そんな彼女をロックオンしたのは、カリスマ的なアニヲタ、農業科の西川一。恋愛ゲームを駆使している所為か、対人攻略に軒並み優れている。




「じゃあ、11時に迎えに行くから」
「あ、ありがと」
「俺から誘ったんだしな、」




そう言って、ポンポンと頭をなでて去る西川の後ろ姿を、うずく心を抑えながら見つめる玲鳴。







「(どーしてツボを抑えてんのよ!!!!)」







手にしたパンフレットを見つめる。
そこには、シーフード食べ放題のバーベキューツアー(リーズナブルな価格)が載せられていた。














「ちょろいって(笑´∀`)」





そう西川は鼻で笑う。
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