海賊長編1/非日常
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いくら疎いおれでも、主人公の顔くらい知ってる。知ってるというか、なんとなく、うっすらとこんな感じだったかな程度の知識だ。海賊王になりたいんだったはず。知識が全くないのに夢に登場させるおれはすごい。だってそうだろ?
「ん?お前、誰だ?」
首を傾げておれを見る姿は、到底一海賊団の船長だと思えるような威厳もガタイもなく、一言で言えばバカっぽい。…ま、おれも人の事言えないんだけどね。
「サンジにメシ食わせてもらってんの」
「そうか!サンジのメシ、美味いだろ!!」
「うっまい!!まじで!神業だよな!!」
「サンジ!こいつにはメシ食わせてずりィぞ!!」
「お前はさっき食っただろうが」
ぎゃあぎゃあと言い争うサンジと主人公を見て思わず笑みが零れた。
「サンジ!メシありがとう!まじで美味かった!ちょっとこの船で遊んでいいか?」
そう言ってサンジを見ると、ズボンがくいっと引っ張られた。
「おれも遊ぶぞ!」
嬉しそうな顔でズボンを引っ張るチョッパーに、思わず顔を崩した。だって可愛すぎるんだ!今になって初めて自分が制服でいることに気づいた。……なんで制服?
「よーし!じゃあ、チョッパーおいで!」
おれが両手を広げると恥ずかしそうにしたため、返事を待たずに抱き上げた。ふわふわで、もふもふで、すごく可愛い。お持ち帰り希望!部屋に置いときたい!…あ、それならペットか。