海賊長編1/非日常

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「うっめえええ…」

程よい甘さと柔らかさ。油っぽくなくて、とても美味しい。そこら辺にあるドーナツ専門店のドーナツよりも何十倍も美味しい。

「だろ?」

テーブルの向かい側でタバコを加えながらニヤッと笑ったサンジを見ると、胸がギュッとした。

「さてと、ナミさんとロビンちゃんにお渡ししてくるか、」

思わず、ドーナツを食べ進める手が止まった。

「え!?サンジ、まだナミとロビンに渡してないの?!」

いつも女性陣を最優先するサンジが、おれを、優先してくれた…?

「たまたまだ!たまたま!!」

微かに頬を赤くしてキッチンを出て行ったサンジに胸が温かくなった。

――――…

もうすぐ島に着くらしい。そして、お小遣もくれるらしい。

「……………変なの」

手渡されたお金は玩具みたいなお金だった。地理の授業で見た海外のお金はペラペラでちゃちな感じだったのを思い出した。

…何て読むんだろう…

「タクミはサンジくんと行動してよ!」

「えっ、ナミさん、おれは買い出しが…」

「荷物持ちさせればいいじゃない!拾ってきたのはサンジくんなんだから、しっかり面倒みてね!」

お願い、とナミに言われれば、すぐにデレデレとした顔で了承していた。そんなサンジにモヤモヤとした気持ちが沸き上がるのを不思議に思いつつも、サンジと買い物ができることの方が嬉しくて、モヤモヤとした感情はすぐに消えていった。

「……ってか、まだ捨て犬的な扱いなのかよ!?」

不満げな顔をすると、サンジがため息をついた。

「…仕方ねェな…ナミさんに言われたからだからな!」

よっしゃ!買い物デート!




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