short**magi
□堕天
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堕天するまえの人の心というものは、こんなにも清々しいものなのだろうか。
いや、これはきっとわたしだけだ。
黒いルフが舞う中、もう少しであの人と同じ類の存在になれる期待で溢れる。
ああ、もうすぐ。
「よぉ、アルメナ。お前もバカなやつだなぁ?」
くつくつと笑いながらわたしに近づくあなた。
バカで結構よ。
人間は愚かに生きなくちゃ。
「ジュダル。」
「あー?」
「もうすぐね。」
「…そう、だな。」
堕天したら、あなたはあたしを好きになってくれる?
ねえ、ジュダル。
大好きよ?
満面の笑顔で、わたしは堕ちた。
堕天。
(そんなことしなくたって、お前のことは気に入ってたぜ?)