short**magi

□一方通行
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「よう。」


今日は良い天気だなぁなんて日向ぼっこをしていたら、マギかつ神官様がやってきた。


こいつは女のことなんて興味なーい、
だなんて素知らぬ顔で近づいてくるから厄介だ。



ちくしょう。




「はろー、ジュダルちゃん。」


「おっまえその呼び方やめろよな。」


「紅玉には許してんじゃん。」


「んな誰にもかれにも呼ばれてたまるかよ。あいつは言っても聞かねーのよ。」



はいはい、わたしなら言ったらやめてあげるもんねーだ。

聞き分けいい女でしょ?



「それで?何?」

わざと素っ気なく接してやると、あからさまに嫌な顔をする。


「近々戦争があるんだと。
紅炎が言ってた。」


「わお、それはお楽しみだね。」


「あぁ。」


ジュダルは戦争が大好きだ。

強いやつには目がない。


こういうとき、思う。

ジュダルが興味を持たないような、ただの女じゃなくて良かった。



「また賭けるか?」

ジュダルがこうやって、戦争のあるごとにわたしに話しかけてくるのは、わたしが強いからだ。


「いいよ、何人?」

最低だって分かってる。


わたしは堕天してないし。

人を殺す人数を賭けるなんて、同じ人として躊躇いがないわけじゃない。



だけど。


「あー、まじでお前は手放したくねーわ。こんな強ぇ女めったにいねーし。」


あんたのその言葉が聞けるなら、わたしは限りなく残虐な人間でいられる。





「ま、死ぬんじゃねーぞー?」


「ばーかっ」





一方通行。


(わたしはきっと、これからも強さを求める。)

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