short**OO

□兄貴分
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失敗をした。

今の時点では知られたくなかったソレスタルビーイングの内部情報を、あたしは人革にもらしたんだ。



一瞬の躊躇がこんなことを生むなんて思わなくて。


今更どうしようもない。




ぽんっと頭に手が置かれる。


なんだと思って後ろを振り返るとみんなから慕われる兄貴分の姿が。




「何よ、」


…あんたはそうやって、誰にでも優しいんだから。



「どうしたよ、こんなとこで。」


「…別に。」


あのときの躊躇いが、こいつに関係ないといったら嘘になるけど、それを言うつもりなんてない。



「ちょっと羽目を外してただけよ。」


「はぁ、、」


「ため息つくことないでしょ?
それとも何、あんたもティエリアみたいにあたしを怒るわけ?」



こんな可愛くない言葉をはく女にまで
優しくしてくれる男。

だけど今度ばっかりは、こいつもあたしに呆れてるかも。





「じゃあ、行くから。」


「お前は、」


「…なに?」


「お前は、強がってるだけだろ?」




何もかも見透かしたように笑う。

もう、本当にこいつは。





「さ、てと。なんかあったら俺の部屋に来いよ。」


ひらひらと去っていくその背中に叫びたい。




「っ、ロックオン!!」


「ん?」


「今から、今から行ってもいいっ?」








兄貴分。


(当たり前だ、この跳ねっ返り。)

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