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□金色の目
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さっきまでアレルヤって呼んで。

そしたら彼も、ん?なに?だなんて優しく振り返ってくれて。




だけど今のその背中は、絶対にアレルヤじゃない。



これは…ハレルヤだ。


一度彼から聞いたことがあった。

自分の中の、もう一人の自分。



きっと彼自身が自分自身を守るために作り出した分身。



「なぁ、女。おっまえ、今まで何人殺してきたんだよ。」


唐突にそう質問されて、一瞬眉がよった。



「ハレルヤ?」


「おー、よく知ってんな。アレルヤが言ったのか…ったくおしゃべりな奴だぜ。」


危険だ、危険だ。

わたしの脳内で警報が鳴り響く。



「血の匂いがこべりついてやがる。
いいねぇ、上等じゃん。」


意味分からない。

なにが、いいの。


人を殺して。




だけど振り返った彼の目はとても綺麗で。


「金色…。」


「あん?」


「目、そっちは金色なのね。」


「くっは、目なんてどーでもいいだろ。」


「綺麗だよ。」


「…はぁ?」



危険というよりただの素直な子どものような男で。


「おーっとマイスターは戦闘態勢だと。殺せ殺せ。
…あ?んだよアレルヤ、俺が全部やってやるって、」


どうやらアレルヤがハレルヤに話しかけているようだ。


なんか、これ、ちょっと笑える。



「ちっ、わーったよ、今回はお前に譲る。」


そうして次にアレルヤ、と呼んだら、いつもの優しい顔で、ん?なに?と返してきた。





何故だか、もういちどあの綺麗な金色の目をもつ彼に会いたくなった。





金色の目。


(狂気と、興味。)

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