long**キセキと妄想女子

□よん。
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「あおみねくん…」

「花城…」


廊下の真ん中、人の往来が多いこんな場所でわたしと青峰くんは見つめ合う。

そしてわたしは頬を染めながらこう言った。



「好きです!」

愛の告白だ。
ああ、人生初の告白!


「…はっ、誰がてめぇみたいなブスに惚れるかよ、バカじゃねーの。」

それを青峰くんはばっさりと断り。


「あ?それともなに?体だけの関係、でもいいなら付き合ってやってもいいぜ?」

わたしを見下しながらそう言うのだ。

胸がきゅんきゅんする。


「ぜ、ぜひ…」

その色気のある彼にまんまと引っかかるわたし。


「無茶苦茶に犯してやるよ。」

ニヒルな笑みの青峰くんと共にその場を後にして、空き教室に向かった。









「はううううっ」

「あんたちょっとうるさい!どうせまた妄想でしょ!もうちょっとほんと黙って!」


そう、これはわたしの妄想という名の今日の夢で。

あのあと叫んだわたしはお母さんに怒鳴られ呆れられ。


そして今は里奈にまで呆れられた。

「これが正夢ならいいのに!!」

「バカいってないでほら、今日は青峰くんの中学時代の友達に会いに行くんでしょ。」


むむ、そうだった。
ズバリ、その名も!
突撃緑間くんと赤司くん!
今日確か練習試合で二人一緒にいるんだよね!



もっちろんバスケのことはお任せくださいな!調べましたから!

ふへへ、あのね、あの二人もなかなかに良いと思うの。
もちろん青峰くんが一番好きなんだけどね!それはダントツに!





「やっほ、緑間くん!」

「ああ、お前が噂の…」

「噂?でもいいや!自己紹介省けるね!あ!赤司くんも!」

「おはよう。」

「きょ、今日も緑間くんは変な物体持ってるんだね!それはまたなんでそんなものを選んだのかな、あ、えっと理由は知ってるんだ。おは朝でしょ?わたしも今日あれ見たよ。んん?でもあれかな?思うんだけどおは朝は、蟹座のあなたに何か恨みでもあるのかな?いつも試合に変なもの持ち込んでるって雑誌では有名だよ?だっておかしくないそれ。持ってるだけで人が寄りつかなくなっちゃうよ。あ、でも緑間くんに人が寄りつかないのは占いのせいだけじゃないよね!」

「は、花城…」

「やめてやれ、真太郎が涙ぐんでいる。」

「あ、それとね赤司くん!赤司くんはエンペラーの才能っていうか素質があるけどね、ちょっと足らないものがあると思うの。ずばりそれは…身長!そりゃ普通におっきいよ、おっきいけどね、見下せる程度ではないよね。青峰くんを見てみて!あれはすばらしいと思うんだ!だからね、」

「やめてやるのだよ、花城。赤司が涙ぐんでいる。」



変なところで毒舌なんだから…
里奈は相変わらずこんなわたしに呆れ気味。

しししまった!
また悪いくせで!


「ご、ごめんなさいお二人さん!今日は中学時代の青峰くんについて聞きたかっただけなんです!テンションが上がるとついつい…」

「謝るな、余計に辛くなるのだよ。それに俺は人事を尽くしている。いずれお前にも分かる。」

「はっ、緑間くん!その顔いい!どや顔ではないけど俺のが一つ上手的なその顔!」

「……。」

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