long**キセキと妄想女子

□ろく。
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晴れた空。青い。
風はあたたかい。静かだ。

すやすやと気持ちよさそうに隣で寝ている女にあきれる。

俺だって健全な(ガングロは関係ねえだろ)男子高校生だぜ。


…パンツ見えそうだし。
つかこいつ胸でけえんだよ…。



けど、こいつはよく分かんねえ。
俺が好き?
んだよ、それ。




わかんねえよ。



わかんねえことばっかだ。

なんでこいつがいま、泣きそうな顔をしてるのかも理解できねえ。


さっきまで楽しそうに笑ってたじゃんかよ。

俺がいらついたの察して、けど眠たくなって寝ちまう図太くて無防備でバカな女なんじゃねーのかよ。



なんでそんなうなされてんだよ…。



「…み、つき…?」

突然だ、突然。

目を少し開けて、ゆったりとした動きで手をのばしたそいつは、俺の頬をさわりながら呟いた。


「みつき…、っ、ごめ…ねっ、」

「おい?」


泣き出すのかと思いきや、そのまま手をだらんと下ろし、またすやすやと息をもらす。



「なんなんだよ…」

バカなのかと思ったら、
ちゃんと空気も読めるやつで、

明るくて闇なんて知らなそうなのに、
ふと、瞳に影をおとす。



みつきってなんだよ。
俺は青峰大輝だ。




「…くしゅんっ」

「…ちっ」


仕方ねーから上着でもかけといてやるよ、(足かくせっての。)




「なんも、しらねえ。」

俺はお前のことなんも知りやしねーよ。

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