long**ガンダムSEED

□5.ディアッカ・エルスマン
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コロン、と。
ボタンが床に散らばる音が聞こえる。


「なに…を…」

本当は聞かなくても分かるのだ。
男が考えることなんて一つしかないのだから。


「だから、調子に乗るなって言ってんだよ。」

言いながら男の手が止まることはない。
ひどく冷たい手だ。


「ナチュラルなんて、劣等遺伝子に俺らがやられるわけねえじゃん。」


なんだ、綺麗な肌してんのなあ。

乾いた笑みで、いとも簡単に、この男は私の肌をまさぐる。



触るな。気持ちが悪い。
そう言って蹴り飛ばしてやりたいのに、身体が言うことをきかない。



「っ」

男は無抵抗の私を見下ろしながら、首から下に舌を進める。


気持ち悪い。



「泣き声も出せねえのかよ。」

カリッと胸の頂を噛まれた。


「ぅあっ…」

「何?感じた?」

誰がお前のためになんて泣いてやるものか。
睨み上げても、返ってくるのは馬鹿にしたような笑みだけだ。



「足開けよ。」

無理やり開くんじゃないか。
舌を噛もうとしたけれど、男がそれを許さない。

薬品の近くに置いてあったガーゼを取ると、私の口の中に突っ込んだ。



「んんっ」

「お楽しみはこれからじゃん。」


にやにやと笑いながら、彼は自分のモノを取り出し、私の下に当てる。



「ん…っ!」

やだ!やめて!
足を動かす。

「おっと。危ねえな。」

いやだ、と首を振る。こんなことをしても無駄なのに。



「いいじゃん。どうせ自分の艦でもヤリまくってたんだろ?女のパイロットなんてレアだもんな。」

違う。地球軍はそんな、そんな軍隊じゃない。
あの人以外の男に肌を触れられるなんて、

そんなのは嫌よ。



「声出せよ。」

ガーゼが口から取られる。


「いやっ!やめて!」

「それとも何?恋人でもいたか?ナチュラルの。」


「っ!」


動きが止まる。
思い出す。あの人の体温、笑顔。











「…あなたたちに殺されたわ。」

「はあ?」

「恋人。」

ふっと笑って男に言う。

「…まじ?」


おおマジよ。

何故だか、男の手が止まった。



「…いつ?」

「去年。地球でね。」

「じゃあザフト関係ねえじゃん。」

「コーディネーターだもの、一緒でしょ?」

「…」



やめた、と言って、男は私の上から退く。

「反応ねえ女としてもつまんねえよ。」


自分で破ったのに、私の隊服を整えながら、男は言った。


「……悪かったな。」

そうして立ち上がった瞬間、部屋の扉が開いた。





ディアッカ・エルスマン
(第一印象は、最悪。)
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