暖かい焔

□桃の節句
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「きたる本日は…」


十束さんの一言を固唾を飲んで待つ吠舞羅メンバー


「雛祭りだよ!さっ、お雛様借りて来たからみんな飾ってね!あぁ、アンナと夾ちゃんはこれに着替えてね!着方わかるかな?」

渡されたのは色とりどりな服つか…
「和服…?」
「そっ!」
「た、ぶん…」
まさかここでレイヤーの経験が役に立つなんてっ!晴明さまっ
「なら、夾ちゃん!アンナの着付けもお願いね!俺はこれをキングに着てもらって…こっちは…うーん…まっ、それはいいや!じゃあ、各自宜しく!」




ってな感じで朝からテンションの高い十束さんのおかけで吠舞羅メンバーによる雛祭りが決行された
































「わっ!アンナ…めっちゃかわええ!!」
着替えさせて端末でパシャり
やべっ
早くガンレフで撮りたい!
「キョウも、キレイ」
はい。自分も十二単を着ております
あっ、予想以上に重たい
「さっ、みんな待ってるし、戻ろっか」
「うん」


























「夾!めっちゃかわいい!」
「馬子にも衣装だな麻倉!」
「アンナかわいすぎっ!夾は綺麗すぎだろ」
ジャーンって感じで階段を降りていくと雛壇が綺麗に飾られていて、金屏風も置いてあった
やば…お内裏さまをやりたかった!だが、遅れて降りてきた十束さん…と…
「み、尊さん…だと!」
な、なんと尊さんがお内裏さま!ならならなら十束さんかあぁ草薙さんが十二単をっ!
つか猿美でー!美咲の十二単ぇえええええっ!
「さっ、夾ちゃんは一眼を俺に渡してね!その格好で撮影は禁止だよ」
「と、とつかさぁーんっ!それはご勘弁をっ!!ごーじーひーをー!」
これを撮りたいのにっ!
むしろ、なんで十束さんは私服なのよっ!あんたのほうが十二単似合うだろっ!!
「夾ちゃんの隣のお内裏さまは取り合っちゃって結局決まらなかったから…夾ちゃんはそのまま座っててね!今日は高嶺の華なんだから!さっ、扇だよ」
高嶺の華!響きがいい!
つまり眺めたい放題!
「夾…」
「あっ…や、たちゃん…!」
「に、似合ってる…」
「あ、りが、と、う…」
照れる!
つか、むしろ、これを着てください!つか見たい!
「動きにくそうだな」
「うーん…慣れればそうでもない」
「あっ、なにか食うか?草薙さん、いろいろ用意してくれたし」
「じゃあ、お願いする!」
「あっ、八田だけずるい!俺もなんか取るよ?」
空かさず千歳にすっと飲物を差し出された
「ありがとう千歳」
「なっ!あぁ、きにしないで!なにか有ったらすぐ呼んでよ」
「麻倉!」
「おふっ、鎌本さん…さすがにこれは盛りすぎっ!でもありがとう!」
大量のお菓子
「なぁ夾。一緒に写真撮りたい」
「おや、エリック…珍しいね」
エリックとツーショ
あれ?
一瞬室内が殺気で満ちたよ、うな…?
など、入れ替わり立ち代わり
そして草薙さんから頂いたピンクのキレイなカクテル…めちゃめちゃ甘くておいしい!
十束さんも隣から甘酒を進められ…
あー…ちょっと酔ったかも
「あっつ…」
さすが十二単…重いし暑い
少し脱ぎたい…
腰回りもキツく絞めすぎたかなぁ……緩めたい…
「夾?」
「あー…やたちゃん……あつい……」
「!?」
「あっはっは!かお、まっからよやたちゃーん」
「よ、酔いすぎだ夾!」
お前こそ顔真っ赤で、なおかつ潤目で上目使いすんな!なんて叫んでるけど…うるさいなぁー…

「あついー…ぬがせて…?」

「「「なっ!」」」
「夾ちゃん!」
「あかんっ!」
「俺がっ!」

「もぉーうるさいー」
「だからって抱きつくな!」
「えーひやっこいんだもん…」
「!!」
つめたくてきもいい…
「…草薙さん…こいつ部屋に連れてきますね」
「わっ!やたちゃんちからもちー」
「ちょ、ちゃ、ちゃんと掴まってろよ」
「ふぁーい」
ふわふわする
なんかまわりがうるさいけど
どうでもいいやー
だって…いまはやたちゃんだけがいればいい

「おい…つ、着いたぞ…その…夾…手……」
「んー…やだー…」
「たく…」
そう言ってベットの横に座った
なんだかんだ言って優しいな
「水いるか?」
「らいじょうぶ!」
「…」
「やたちゃん…?」
「あ、あんま…人前で脱ぎたいとか…言うなよな……」
「う、うん…」
不意打ちあかん!
かわいいぞっ!
くそぉ…酔ったふりして美咲をおいしくにやにやしながら観察が
男前すぎて逆に不意打ちされられたわっ!
そして思わず寝たふりを決め込んでみる

「夾?…寝たのか…?ほんと…お前…い、色っぽすぎんだよ…何人が狙ってっと思ってんだよ……」

ぽつりぽつり溢す言葉
八田ちゃん…
そんな事言ってると期待しちゃうよ
俺が好きなのは八田ちゃん…
君だぞ

本だけでは分からなかった

見えなかった八田ちゃんを


知れば知るほど

俺は貴方の虜です













































桃の花言葉:あなたの虜


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