暖かい焔

□私の話をしましょう
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Kの世界にトリップし
そろそろこちらの生活にも慣れてきた今日この頃

…いい加減
俺の素性や状況などいっさい聞いてこない吠舞羅メンバー、そんなのでいいのだろうか…
って思うので、
素性やらなんやらをみんなに聞いてもらおうと思う

そう考えるのは、先日のエリックの件も在ったからだ
やっぱり、知ってもらっていたほうが…いいと思うし…


なにも言わず、なにも聞かず
このあきらか不審者を置いておいてくれてるって言うのも忍びないので…


「あの…」
「どないした夾ちゃん。そないに思い詰めた顏で…」
「お仕事終わってからで良いので、俺の、話を聞いてもらえないでしょうか…」
「…もちろんや。…尊と十束…アンナだけでもええか?」
「はい。あの…八田ちゃんにも聞いてほしいので…あとのメンバーには俺からでも、草薙さんからでも」
「わかった。八田ちゃんに連絡するわ」
「ありがとうございます…」









































































「急にどうしたの夾ちゃん。無理に聞こうとは思わないから、無理しなくてもいいよ」
「…でも、ここでお世話になっている以上…それに吠舞羅として、みなさんにお話致します。まず、草薙さん…俺の情報、一切掴めませんでしたよね」
「…すまんが…調べさせてもろた…アンナは必要ない言うが、一応な」
すまなさそうな顏に
ズキンと来たが、
当たり前だ

確信は有った。つかトリップしてきたから、この世界に俺の情報が有るわけがない

「…。俺は…この街の…住人じゃありません。この街から遥か遠くに住んでいました。」
「遠くってどこなん?」
「…きっともう帰ることはできない場所。イズモ。キョウは…王とは違うけど、近い存在。それにキョウの力は不安定。だから私は一緒に居たい」
「え…アンナ…?」
「…ごめんなさい。キョウの記憶に触れてしまったの」
なるほど
と、なると
初日から知っていて
幹部にも黙っていてくれた訳か……
なんだか
悪いことをしてしまった…
「あやらまないでアンナ…悪いのは俺だ…なにも言えなかったから…」
「ちゅーことは、夾ちゃんは、別なとこから来たちゅーことなん?で、ストレイン」
「はい。なので、帰りかたも判らず…帰ることも出来ない。もし、邪魔ななら…」
今すぐにでも出ていく
そして、なんとか帰ることを考え…
なんて下を向くとアンナの手に握られ
隣にいた尊さんに頭ポンってされた
「…お前が居たいなら、ここにいろ」
「ダメ。キョウ、どこにも行かないで…」
「…もう吠舞羅メンバーでしょ?もぉー。頼ってよね」
「そやでー。そないなくてももう仲間や。」

「み、んなっ!!」

「…つまり夾、お前王なのか?」

ズルッ

あっ、古い感じですべったよ

ここで、やっと八田ちゃんの発言

よくわかってないようで…

「…簡単に言うと、まぁ、頭可笑しいかもしれませんが…別な世界から、この世界に来て、能力持ちになり、吠舞羅のメンバーに拾ってもらった、今は幸せな夾です。」
チートもそのヒトツ
はて、元々の能力とはなんだったのかしら

「風…が」
「ん?」
「風を感じたの」

「アンナ…?」

「身体能力はミコトくらい」

「…は?」

「あと、いろいろ」
はい。よくわかった。
これはのちのち解明していくとして
「…ほんとに、ここにお世話になってていいんですか…こんな得体の知れないやつ…」
「大丈夫や」
「判らないから、知ること。そう。これから知ってけばいいんだから!ゆっくりでいいから、夾ちゃんのこと教えて!それに、もう吠舞羅には夾ちゃんが必要なんだからー
そうだなー…居なくなったら、探しだして監禁しちゃ…冗談だから、そんな顏で睨まないでよ八田ぁー…」
「…十束さんが言うと洒落にならねーすけどね」

あぁ
なんて優しい人達なんだ
なんて温かい人達なんだ

なんて…

頬に流れるあついもの

見られたくなくて下を向くと
誰かにぎゅっとされた

「お前が…いろいろ話してくれてうれしいよ。ありがとう」

身に染みて
心の内にあった氷が
ゆっくりと

「あ、り、がとう…ございます……」


居て良いと

必要としてくれる

絆が出来た


「さて、まずは夾ちゃんのスリーサイズか…いった!草薙さん!」
「ったくそないな質問すんなや!」
「ええっとー上は「ってお前も答えるな!」あー八田ちゃん、かおまっか!」
「やっと笑ったな」
「え」
「ここ最近ずっとそやったから…すまんな…余計な事考えさせてしまって」

「いえ…ほんと、言うのが遅れてしまって…」
「ええて。夾ちゃんには笑顔でいてほしいな」
「!」

くっそキザすぎるっ
くそイケメン!
いま、ときめいた!
きっと今、顏赤い…

「…で、ずっと居るんだろ夾…つか、居ろよな」
「っ!」

なんだよなんだよなんだよ!
八田ちゃん犯罪級なセリフはくなや!
みんなを見渡すと頷かれた



「っ!これからも宜しくお願いします!!」







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