Short Story【声優】

□拗ねてるフリ。
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些細なことで喧嘩をした。



でも、そんなに怒ってなくて、
構って欲しいから


怒ってるフリ。

拗ねてるフリ。







大きなソファーに彼に背を向けて座っていると感じた、暖かいぬくもり。





「まだ怒ってんの?」
『…』




返事はしないけど、
その行動だけで、
もう私の気分はスッキリ。





「なぁ」





彼の背中が私の背中を押す。





『も〜、止めてよ』





構ってもらって嬉しい気持ちと笑顔を必死で隠して、振り返って言うが…





「やだ」





そう言ってぐいぐい体重を掛けられ私の背中に彼の背中が乗っかる。






『ちょっと、重い〜』
「許してくれるん?」
『許す、許す』
「“ごめんなさい”は?」
『えぇ?私がぁ?』
「一緒に」
『…しょうがないなぁ』






「『ごめんね?』」



















貴方には絶対に嫌われたくないの。


でもね?

顔色を伺いたくもないよ?




ちゃんと素直な私でいたいの。







だから、私が拗ねちゃう前に
もっともっと構って?







なんて…


ワガママ、かな?













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