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□ときめく
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隣の席の羽生結弦くん。
先週まで大会だったみたいで、今日久々に学校に来た。
王子様タイプの男の子で、すごくモテるみたいだけど、あたしのタイプとはちょっとずれてる気がする。
普通にかっこいいとは思うんだけどね。
授業中に気付いたんだけど、羽生くんってやたらといろんなところにプーさんつけてるなあ。
スクバにもプーさん、ティッシュケースもプーさんだし、筆箱にもプーさんが付いてる。
「羽生くんって、プーさん好きなの?」
2時間目の自習時間、面倒臭くて何もせずにいるあたしとは正反対の、辞書を広げて勉強してる羽生くんにあたしは思い切って尋ねた。
そしたら、予想外のリアクション。
「すっごい好き!見てると自分まで落ち着いて来るし!」
あれ、おかしいな。
なんか、すごい、なんていうのかな。
一言で言うなら...
ドキドキする、うん。
だって、羽生くん、すごく笑うと可愛いんだもん。
あたし、可愛い系男子、タイプだったっけ?
「俺、なんか変なこと言ったかな?」
「あ、ううんっ!違うよ!あたしも、プーさん好き!」
咄嗟にそう答えると、「可愛いよね!」とニコニコしている。
本当に可愛いのはあなたです、羽生くん。
ねえ神様。
これが俗に言う、「ときめき」ってやつなんでしょうか?